「年末」「年越し」を大事にするマンション管理

年間12ヵ月のうち、マンション管理にはいくつかの節目があります。
1. 管理会社の契約更新時期(年度末が多い)

2. 引越が多くなる時期(1月2月3月と8月9月)

私は、ここに「年末」12月を加えたいです。

「年末」「年越し」を大事にするとはどういうことでしょうか。

ご経験がある方は、12月というと、個人が所有する建物の場合、確定申告が1月1日から12月31日までだから、経理の締めに関連するという理由を挙げられると思います。

オーナーの経理目線の「年末」については、あらためて記すことにしますが、ここで言う「年末」を大事に考える理由は別にあります。

まず、12月がほかの月と違う点(特徴)を挙げます。

1. 営業日数が少ない

いわゆる年末進行のため、25日前後には実質、修繕や工事が止まります。

2. 粗大ごみが多い

退去が多くなるのに加え、掃除をする家庭が増えるため、粗大ごみが増えます。個人個人がきちんと回収依頼と処理シールを貼ってくれるように、周知する必要があります。

3. エアコンや給湯器の故障が発生する

数字的な根拠はありませんが、寒くなると増えるような気がします。

「年末」「年越し」を大事にするとは?

これだけだと、特筆すべき点は見当たりません。大事にするとはどんなことなのでしょうか。

例えば、12月の初旬くらいに、住人さんから修繕の依頼があったとします。

現状確認をして、修繕内容を決定し、部品や代替え品を発注します。

そして修繕日を調整して修繕を完了します。

この一連の工程を依頼する際に、

必ず「年内」に終了する?

私はこう聞くことにしています。

もし「年をまたぐ場合は、こちらにも連絡をください。」

こうも言います。

通常の修繕においても、進行状況の把握は行いたいと思っていますが、なかなか徹底できません。(この件については別途掲題します)

しかし、12月の修繕は別です。工事の内容や、12月の下旬の発生であれば仕方ない場合もありますが、普段は1日かかる連絡のタイムラグを半日にするなど、事務方の努力を含め、12月中に収めて欲しいのです。

若い方や、育ってきた環境によっては、知らなかったり、理解が難しいかも知れませんが、日本人にとっての「年末」というのは、1年の総ざらい。晦日と大晦日に総決算をして、禊ぎを終わらせ、身綺麗にして、元旦を迎えるという意味深い月だと思っています。

住人の方の年代は様々です。その中に、この感覚を持ち得ている方がいれば、その感覚に寄り添うのが、私が標榜するマンション管理です。

例え、その方自身が知らなくても、帰省の際に、ご両親や親戚に話せば、ご高齢の方々や見識ある方々から、一言指摘があるかも知れません。

12月中に修繕を終了させ、不自由ない元旦を迎えていただくことは、マンション管理の原点ではないでしょうか。

もし、どうしても12月中に終わらない場合は、管理担当として、ひと言、お詫びの言葉を住人さんに掛けたいのです。

これが私が考える、マンション管理です。

2019年もこの姿勢で、管理にあたりたいと思います。

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