感染症予防とマンション内イベントの両立を判断する方法

目次

▶ マンション内イベントの感染リスクを確認する
▶ 感染の可能性に過敏な住人さんに対する配慮とは?
▶ マンションがクラスター源になり得るのか?
▶ 今だから「願うこと」の意味を考える
▶ マンション管理は誰のために行うのでしょう
▶ マンション管理会社は住人にとっての価値で判断すべき
▶ まとめ

今年(2020年)はマンション内のイベントの開催にも様々な配慮が必要になります。
マンションの資産形成の鍵は、マンション管理だと考える私なりの意見として、
本日(7月7日)の「七夕」を行うべきか、中止すべきか。その判断方法について考えてみました。
※ここでは七夕の本来の日付や意味などは問わず、イベントとしての「七夕」についてお話しします。

まず、私が管理していたマンションで行われる「七夕」イベントとは?
笹を調達し、折り紙を切り、穴を空けてひもを通す。
用意した短冊を籠に入れて、筆記用具と一緒にテーブルに乗せて、マンションのエントランスに設置します。
住人の人たちは、子どもから大人まで、思い思いの願い事を書いて、笹に結びつけていました。

マンション内イベントの感染リスクを確認する

マンションのエントランスに笹をおいて、願い事を書いた短冊を結べるようにする場合、なにが感染を媒介する原因となるでしょう。
【笹】【短冊】【ペン】【机】
これらの構成要素を通じて感染の可能性がある場合、手指を消毒する消毒液を準備することで、感染リスクを抑えることができると思います。
短冊を各自で準備して結ぶようにすれば、更にリスクは減ると思います。見るだけの住人さんにはほとんどリスクは無いと思います。

感染の可能性に過敏な住人さんに対する配慮とは?

短冊を結んだり、結ばれた短冊を読んだり、密になる状況を作ることに批判的な方はいるかも知れません。換気が充分に行われているエントランスの場合はどうでしょう。
また、誰が触ったか分からないものがエントランスに置かれているといった意見もあるかも知れません。エレベータや手摺りなど、触れなければ生活できないものと比べてどうなのでしょうか。

マンションがクラスター源になり得るのか?

いままでクラスター(集団感染)源として注意喚起されている場所は、病院、スポーツジム、接待を伴う飲食店、ライブハウスなどです。
これらから導き出される特徴は、

  • 複数の人が使う道具や設備
  • 3蜜(密閉・密室・密接)すべてに該当もしくは複数該当する環境である
  • 飛沫が飛ぶ環境

エレベーターや手摺りを定期的に消毒をするなど、管理人がいるマンションでは対応をしているところがあると思いますが、すべてのマンションではありません。また、エレベーターが感染の主原因になるのであれば、利用を停止したり、利用者毎に消毒するなどの徹底が必要です。

スーパーを例に取った場合、商品の陳列(品出し)、買い物かご、レジなどの一連の流れと、「七夕」の願いを書いた短冊を笹に結ぶこと、そしてそれを少なくとも数日間、陳列しておくこと。この状況を冷静に考える必要があると思います。

今だから「願うこと」の意味を考える

感染症のリスクから生活を制限される日々が続くばかりでなく、発達した梅雨前線による豪雨の被害も届いています。
例年、短冊には様々な「願い事」が書かれていて、それを見るだけでも楽しいものです。例えば、
「お母さんの足が早く治りますように」「みんなが生きられるようにお金お願いします。」「通知表で全部4以上とれますように」「家族元気でいつまでも」「頭よくなる」「あんぜんでいきれますように」「すみっこぐらしの人形がほしいです」「赤ちゃんがうまれるように。」「おやさいが、たべられますように」「けんこうにしあわせにすごせますように」
これは、ある年の短冊のほんの一部の願い事です。

7月の七夕と12月のクリスマスに願い事を書き、笹やツリーに結ぶイベントを行った経験があります。
イベントを通じて、マンションの住人さん同士の会話が増える状況を目の当たりにしてきました。マンション管理を支える精神的に重要なイベントになったと感じる大切なイベントに昇華したと思っています。
今年(2020年)はどんな「願い事」が書かれるのか。どれだけの数になるのか、私はとても関心があります。

マンション管理は誰のために行うのでしょう

私は迷わず「住人のため」と答えます。
住人のためがオーナーのためになり、管理会社のため、そして管理会社で働く家族と、管理会社の株主のためになります。
つまり、すべてのステークホルダーの中で、一番最初に考えるべきは、顧客である住人さんのためにマンション管理は行われるべきなのです。

マンション管理会社は住人にとっての価値で判断すべき

「もし、管理するマンションでクラスターが発生したら」
管理会社の社内の誰かがひと言でも口にした途端、この言葉の魔力で行動が制限されます。これは今、どこの現場でも発生していると思います。
大事なのは、「もし、管理するマンションでクラスターが発生したら」ではなく、『クラスターを発生させない』ことです。そして、そこにクラスターが発生しないのであれば、それよりも価値のあることを優先してもいいと判断することです。
つまり、感染症が「0」にならない以上、そして、感染のリスクが低い場合、長期的に見て価値があるものを優先するという判断をすべきなのです。
確かに、感染の可能性を排除すれば、何も起こらないでしょう。しかし、住人さん同士の交流の機会を失うリスクと天秤にかけて判断する管理会社であって欲しいと私は思うのです。

まとめ

マンション管理者として、マンション内イベント、今回は「七夕」をどう扱うか。中止という判断が果たして長期的なマンションの資産形成のために必要なのか、その判断材料は以下の通りです。本文をご覧になった方が、異なる判断材料や判断材料の追加を行うことで、判断が変わることもあると思います。
大事なのは、事実を列挙しそれによって結果を導き出すことです。

  • マンションがクラスター源になり難いこと
  • 「七夕」イベントが住人さんの精神的に大切なイベントであること

あなたがマンション管理者であったなら、「七夕」イベントを実施しますか?

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