子どもの主体性を尊重しつつ、親がやらせたいお稽古をどうやって選択させるか

昨日(2018年12月26日)は、子どもが通っていた空手の稽古の最終日でした。
親子3名で道場の掃除をして、師範をはじめ、子どもと一緒に学んできた、稽古仲間とその親御さん、そして道場にお礼をしてきました。私としては、子どもの心の成長に大きな大きな影響をもたらしてくれたこの師範と道場に、本当に感謝しています。しかし、通い始める時は、それなりの苦労がありました。

1.第一に、子どもの気持ちを動かす

まず、「道場に子どもが通よいたいと思わせる」という課題が立ちはだかりました。

当初、子どもはこの道場に通うことに気が向かない様子でした。このままだと拒否されてしまう。そう思った私は、「剣道」「柔道」「合気道」など、近隣の道場の情報をいろいろと集めました。

この場合のポイントは、空手を選ばせるのを目的にせず、「本当に子どものためになるお稽古を探す。」という点です。

私が大量にプリントアウトした資料を見て、子どもに真剣度が伝わらない訳はありません。この決断からは逃げられないという覚悟を与えることにもなりますが、真剣に考えているということが子どもの気持ちを動かします。

そして、どの道場がいいと思う?と、毎晩子どもの前でつぶやいたのでした。

2.実際に見学に行く

実際に「剣道」の道場に見学に行きました。

2013年当時、ネット上に「柔道」の情報は余り豊富ではなく、剣道以外の選択肢は見つかりませんでした。空手を推す私にとっては、時間がかかる作業でしたし、もしかしたら子どもが剣道を気に入るかも知れません。それでも構わないという気持ちを持ちながら、家族で見学しました。

3.「はい」か「いいえ」ではなく、2択にする

空手の道場は事前に見学していましたので、ここで、子どもに質問をしました。

「どちらの道場がいい?」

結果は見事に空手道場に。そうです、「空手に通いたい?」「はい」「いいえ」ではなく、どちらがいい?という2択の設問にしたことで、私の元々の希望である、「道」が付くお稽古に通わせるという目的が達成された上に、その中でベターだと思っていた、空手道場に通うことになったのです。

この設問は、今でも最善だったと思っています。これによって、子どもの将来にとっても、親にとっても、5年後に充実した結果が待っていました。

4.幼少期、親が選択することは当たり前のこと

当時は、親が勝手に選んだお稽古で、子どもは乗せられただけだったかも知れません。しかし、子どもに取って大切だと思われることを親が選択する機会は、当たり前のようにあり、押しつけではなく、子どもが選んだように仕向ける方法を今回提示しました。

よく、この子は自我が強くて、言うことを聞かないという親御さんがいます。

子どもに必要な「躾(しつけ)」も含めて、親が子どもに大切なことを伝えることを放棄しているように思えてなりません。子どもの言うことを聞くのは、子どもに大切なことを伝えるより、実は簡単です。

例えば、好きなものばかり食べさせて、必要な栄養素を摂らせないのが本当に子どものためなのでしょうか。

子どもに不都合なことを狡猾に納得させることこそ、大人の役目であり、子育てのおもしろさだと思います。


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